おすすめのSF映画10作品を紹介します。
SF映画はこれから起こるであろう未来への物差しになります。なぜなら人類が想像している世界は形が違えど現実になる可能性が高いからです。
世界がSNSでつながり続けている一方で、完全に情報が統制されてしまい自分が何者なのかわからなくなってしまう可能性も捨てきれないほどテクノロジーが進化してきました。
これからの未来を予想するうえで、私たちに明日を切り開くエネルギーを与えてくれる、そんな作品に出合えるのもSF映画の魅力だと思います。
おすすめ SF映画10選
1.惑星ソラリス(1972年 監督:アンドレイ・タルコフスキー)
本作品は1972年の旧ソ連映画であり、タルコフスキーの名前を世界に知らしめた作品でカンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞しています。
広大な宇宙には様々な生命体が存在します。未知の惑星ソラリスの調査はプラズマ海の活動により行き詰っていました。すべての試みはプラズマ海の前では失敗。そこで数年前惑星の調査から帰ってきたある中尉の報告をクリスは見ることになります。
翌日惑星軌道上に浮かぶステーションへクリスは訪問しますが、クリスの友人は原因不明の自殺を遂げていました。残されたのは自閉症にかかっているサルトリウスとスナウト。彼らは何故かクリス以外に誰かの影を見ると言い出します。
クリスの友人が自殺した理由も自分たち以外に影がいることを解明しようとしたことにあるようでした。クリスは自殺した友人が自分に当てた手紙を発見し…。
惑星ソラリスはインターステラーやインセプションを手掛けたクリストファー・ノーファンも参考にしている古典映画であり、ブレードランナーや惑星からの物体Xに並ぶSFの金字塔として、多くのファンから指示されている作品です。
2.AKIRA(1988年 監督:大友克洋)
本作品は大友克洋の漫画を原作とし、大友自身が監督を務めたアニメ映画です。
第三次世界大戦勃発後の2019年の日本は、東京湾海上を埋め立てて造られた新たな都市「ネオ東京」に首都機能を移転しましたが、反政府ゲリラと軍が常にいがみ合っており治安がいい状態ではありませんでした。
この作品は2019年の東京を舞台にしており、驚くことに2020年東京オリンピックも予言したとして知っている人も少なくないはずです。「AKIRA」は何度見ても違う視点から見られる作品であり、当時の日本人が考えた未来と現在を見比べながら見るとより一層面白いのではないでしょうか。
3.マトリックス(1999年 監督:ラリー・ウォシャウスキー)
仮想空間で人類とAIの戦いを描いた映画です。
1999年当時、最先端の撮影方法を使用した大ヒット映画。主人公のアンダーソンはある有名ソフト会社に勤務するエリート。しかし、彼の裏の顔は凄腕ハッカーネオです。ネオはある日トリニティと名乗るハッカーからある場所へ来るように指令を受けます。指定されたクラブにいくと現れたのは、思い描いていたのとは違う、美女のトリニティでした。
トリニティはある人物にネオを合わせたいといいます。ネオは途中巡回プログラムエージェントスミスに使ってしまいますが、何とか危機を回避します。ネオを探していたモーフィアスはネオに「この世界は作られた世界、マトリックスという仮想現実だ」と衝撃の事実を伝えます。現実の世界では機会が人間を支配し、人間は機械の発電用パーツとして人口栽培されている衝撃の事実を突きつけられます。
マトリックスでは斬新ワイヤーアクションやバレットタイムと呼ばれる撮影法で映画界に革新的なアクションをもたらしました。バレットタイムアクションは、後に生み出される映画に影響をあたえ、世界的に大ヒットしました。今、AIに注目が集まっていますが、その未来はマトリックスの中に凝縮されているのかもしれません。
4.CODE46(2003年 監督:マイケル・ウィンターボトム)
人類は人生の全てを遺伝子レベルでコントロールされていた。すべての移動には滞在許可証「パぺル」が必要とされ、厳しい審査を通らなければ取得はできない。同じDNAを持つ近親者同士の接触は禁止されており、違反した者は厳重に罰せられるのです。
ある日、審査官のウィリアムスは流通している偽造「パぺル」について調べるため、上海へ出張します。都市の中と外での暮らしはまるで違い、都市の外に住むものは常に貧困にさらされていた。貧困層と都市層を隔てるために都市周辺には、検問所が設置されていたが、そこを突破しようとする貧困層も少なくなかった。
そのころスフィンクス社で働くマリアは、マイトの誕生日に決まって同じ夢を見ていました。夢の中でマリアはいつも電車にのっており、毎年その夢は終着駅に向かっていき、夢の結末を恐れるマリアは誕生日の夜眠らいないように心に誓います。
ある日検問所でマリアとウィリアムは出会ってしまいます。その時はごく簡単な言葉を交わす程度でしたが、実は彼らは同じDNAを持つもの達でした。ウィリアムは違法パペルの容疑の中にマリアがいると見抜いてしまいます。しかし、同じDNAを持つもの同士次第に惹かれあっていくのでした。
近年のバイオテクノロジー技術は発展し、ついに寿命を決めるテロメアの延長に成功しています。つまりCODE46のようなDNAレベルで管理するようなシステムは実現可能なのです。特に中国では現在セサミクレジットによる個人の信用度を推し量るシステムに順次移行しています。実はディストピアは意外に身近にあるのです。それを許容するか、戦うかはあなた次第です。
5.インセプション(2010年 監督:クリストファー・ノーラン)
他人の潜在意識の中から情報を抜き出すドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)。ある日彼の元にサイトウと名乗る謎の男から依頼を受けることに。
依頼内容はサイトウのライバル企業の息子ロバートの頭の中に潜り込み、記憶を侵食して会社の経営方針を変更させて、倒産に追い込むというもの。サイトウがコブに持ち掛けた話はインセプションと呼ばれるほぼ不可能に近い仕事でした。
そこで、コブは記憶に潜るために選りすぐりのメンバーを集めミッションに挑みます。しかし、計画は予定通りには進まず思いがけない事態が彼らを襲います。
インセプションではコブは深く潜り過ぎて、永遠に同じ時間を繰り返す「虚無」に陥ってしまいます。虚無にとりのこされると植物状態になり、現実世界に戻れなくなってしまいます。インセプションを楽しむために夢の中の第1階層、第2階層、第3階層、虚無を同時進行でストーリーが進むので、何回見ても違う印象を与える映画です。
6.プロメテウス(2012年 監督:リドリー・スコット)
太古の昔まだ地球に生命という生命が存在しない時代。人型異星人が地球に降り立ちます。
異星人は謎の黒い液体を飲むと、体が黒く変色していき身体がくずれ落ちます。やがて変異した巨人の細胞は水の流れに乗り地球上に広まり生物の多様性を生み出します。時は2089年。考古学者のエリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイは古代の遺跡を発見。その遺跡の中に古代人のメッセージがあることを発見します。長年謎に包まれてきた人類の起源がある惑星に隠されているとわかり、多国籍グローバル企業ウェイランド社は惑星探索のため、科学者を選抜します。
研究者たちが古代遺跡を探索している間、アンドロイドのデヴィッドは謎の黒い液体を発見。勝手に持ち帰り、祝杯をあげるチャーリーのシャンパンに混入させます。ショウはチャーリーと関係を持ち翌朝になるとチャーリーに異変が起り始めます。
プロメテウスはゼウスより賢いとされる神様。全知全能の神としてギリシャ神話で知られています。映画プロメテウスでは、エンジニアを全知全能の神としますが、神とされる宇宙人も実は人類と変わりません。映画の後半で宇宙人たちがなぜ無残な姿になってしまったのかが明らかにされますが、その理由がどこかで見たことある歴史のようで、とても興味深い作品です。
7.オブリビオン(2013年 監督:ジョセフ・コシンスキー)
2017年エイリアンの攻撃により地球は壊滅的なダメージを負います。それでも人類は「奴ら」との戦いを60年後の2077年でも続けていました。
エイリアンの侵攻により全面戦争となりますが、核兵器を使い人類はなんとか勝利します。勝利の引き換えに地球環境は汚染され移住不可能に。そこで人類は軌道上に移住建造物を作り土星へ移住することに。
ジャックハーパーはドローン整備士として、地球に派遣された人間の一人。広大な敷地をビクトリアと一緒にパートナーを組んでパトロールし、海水を核エネルギー化するプラントを守るドローンに異常がないかチェックをする毎日でした。地球での任務期間は残り2週間。ところがある日彼は毎晩同じ夢を見ます。
ジャックは最近何故か過去の地球、過去のアメリカである女性に会う夢を頻繁に見ていました。ジャックとビクトリアは5年前の記憶を消された状態でプラントとドローンの監視任務についてました。2人の任務は完璧。このまま何もなく任務は終了するはずでした…。
オブリビオンは中盤まではまったりした展開ですが、自分はいったい何者なのか、何のために生まれてきたのか、生と死は何故あるのか、エンターテイントではあまり見られないストーリー展開にアッと驚くこと間違いありません。特に終盤でのジャックの撮る行動に感動するでしょう。
8.オデッセイ(2015年 監督:リドリー・スコット)
2030年の火星、宇宙飛行士のマーク・ワトニーたちは火星友人探査計画アレス3に参加していました。
火星探索の途中でマーク・ワトニーたちは火星で巻き起こる暴風の砂嵐に巻き込まれます。撤退を余儀なくされるクルー。暴風でさまざまなものがワトニーたちに降り注ぎますが、ワトニーは運悪くアンテナ状の部品がワトニーを直撃し行方不明になってしまいます。
残りのクルーはワトニーが亡くなったと判断し火星から撤収しますがワトニーは生存していたのです。
火星でたくましく生きるワトニーは植物学者。彼は4年後に火星探査隊がくるまで、何とか自足自給生活をすることなるのですが、普通の人ならパニックになっているところを冷静にあきらめず生き残るのです。
これは映画の中だけでなく、現実世界でも一緒です。あきらめない心はいずれ現実となるので、心が折れそうになったらこの映画を見ることをお勧めします。ワトニーが遭遇した状況以上に絶望的なことは地球上ではないのですから。
9.エクス・マキナ(2015年 監督:アレックス・ガーランド)
あるIT企業に勤めるケイレブは26歳のプログラマー。ある抽選会で大富豪の別荘に招待される権利を得ます。大富豪の名前はネイサン。ネイサンはケイレブに「友達として接しくれ」といい豪華な部屋をあたえますが、その部屋には窓が一切ありませんでした。
実はこの部屋は地下に作られた研究室。ケイレブが選抜された理由は、AIの知能をテストするための選抜要因だったのです。
そしてケイレブは一台のアンドロイドを与えられます。アンドロイドはガノイドと呼ばれるもの。体は半透明になっていて中の機会が透けてみるようになっています。ガノイドの名前はエヴァ。エヴァ曰く、ネイサン以外の人間に出会ったのは初めてといいます。ケイレブは女性がたガノイドと接するうちに恋愛に近い感情を抱いてしまいます。
現在のAI知能はまだ小学生レベルで言われたことを実行するだけしかできません。しかし、これが数年後になると我々の仕事は劇的に変化し、ほとんどのルーティンワークはAIに変わっていくと言われています。
エクスマキナでは将来起こるかもしれないAIと人間の摩擦を描いた作品としてみると面白いかもしれません。
10.レディ・プレイヤー1(2018年 監督:スティーヴン・スピルバーグ)
2045年人類は一つのゴーグルにすべての人間の人生が詰め込まれているオアシスを実現。オアシスの中では現実世界ではなれないものに誰でもなれる。現実世界で生きるウェイド・ワッツはスラム街の中で生きる17歳。オアシスの中でも貧富の差はあり、コインを集めることで資産額がリアルにも反映されます。
仮想世界での負けが現実世界での負けに直結するため破産するものが後を絶ちません。しかし、主人公ワッツは凄腕のゲームプレイヤー次々と難解なゲームをクリアします。ワッツが目指すのはオアシスの生みの親が発表した「宝の卵」見つけ出すこと。「宝の卵」争奪戦には世界的企業も加わり激しい競争にワッツは巻き込まれていきます。
本作品はあらゆるエンターテインメントが詰め込まれた映画です。ガンダムやアイアンジャイアント、ジュラシックパークのTREX、キングコング、メカゴジラなどが次々に登場します。
また、後半で登場するクラッシックゲームはタケシの挑戦状を彷彿とさせる難易度にノスタルジックに浸れるあらゆる世代が楽しめるエンターテインメントです。